ECサイトの商品写真で色味を正確に伝えるには?カラーマネジメントの基礎
ECサイトの商品写真では、商品の色をできるだけ実物に近い状態で伝えることが重要です。
特に、
- アパレル
- コスメ
- インテリア
- 雑貨
- 食品パッケージ
など、色が商品の選択に関係する商材では、撮影時の照明やカメラ設定、画像編集によって色の見え方が大きく変わることがあります。
一方で、商品写真の色を正しく調整しても、ユーザーが使用しているスマートフォンやPCのディスプレイによって見え方が異なるため、すべての環境で完全に同じ色を表示することはできません。
そこで重要になるのが「カラーマネジメント」です。
本記事では、ECサイトの商品写真で色が変わって見える原因と、撮影から画像編集までの基本的な色管理について解説します。
なぜ商品写真と実物の色が違って見えるのか
商品写真と実物の色に違いが生じる原因は一つではありません。
主に、
- 撮影時の光
- カメラの設定
- 画像編集
- カラープロファイル
- ユーザーのディスプレイ
などが影響します。
光源によって色の見え方が変わる
同じ商品でも、当たっている光によって色の見え方は変化します。
例えば、
- 自然光
- LEDライト
- 蛍光灯
- 電球
- ストロボ
では、それぞれ光の色が異なります。
暖色系の光では商品が黄色や赤っぽく見え、寒色系の光では青っぽく見えることがあります。
人間の目は周囲の光にある程度順応しますが、カメラでは撮影時の設定によって写真の色味が変わります。
そのため、商品撮影では使用する照明とカメラのホワイトバランスを確認することが重要です。
商品撮影の照明の当て方
ホワイトバランスによって写真の色が変わる
ホワイトバランスは、撮影時の光に合わせて色を調整するためのカメラ設定です。
適切に設定されていないと、
- 白い商品が黄色く見える
- グレーの商品が青く見える
- 肌の色が不自然に見える
などの色かぶりが起こることがあります。
オートホワイトバランスでも撮影できますが、商品を複数撮影する場合などは、写真ごとに色味が変化していないか確認しましょう。
カメラによっても色の表現が異なる
カメラやスマートフォンには、それぞれ画像を処理する仕組みがあります。
同じ場所・同じ商品を撮影しても、使用するカメラやスマートフォンによって、
- 彩度
- コントラスト
- 明るさ
- 色味
などが異なる場合があります。
特にスマートフォンでは、撮影後に自動的な画像補正が行われることもあります。
商品撮影では「きれいに見えるか」だけではなく、実物の商品と比較して色が大きく変わっていないか確認することも重要です。
ユーザーのディスプレイによっても色は変わる
商品写真の色を適切に調整しても、すべてのユーザーへ完全に同じ色を表示することはできません。
商品を見る端末には、
- スマートフォン
- タブレット
- ノートPC
- デスクトップモニター
などがあります。
さらに同じスマートフォンでも、
- ディスプレイの種類
- 明るさ
- 画面の色設定
- ブルーライト軽減機能
- 使用環境
などによって色の見え方が変わります。
そのためECサイトの商品写真では、「すべての端末で完全に同じ色にする」のではなく、撮影・編集側で一定の基準を作り、可能な限り色のズレを抑えることが重要です。
ECサイトの商品撮影で行うカラーマネジメント
色のズレを減らすためには、撮影から画像編集まで一定の基準で作業します。
1.できるだけ安定した照明環境で撮影する
商品撮影では、撮影途中で光の状態が大きく変わらない環境を作ることが重要です。
例えば自然光だけで長時間撮影すると、時間帯や天候によって光の色や明るさが変化します。
同じシリーズの商品を複数撮影する場合などは、LEDライトやストロボなどを使用して撮影条件を揃える方法があります。
また、異なる色の照明を混ぜると色調整が難しくなるため、複数の光源を使用する場合は注意しましょう。
2.ホワイトバランスを確認する
撮影前にホワイトバランスを確認します。
白やグレーの基準となるものを使用して調整する方法もあります。
商品を何点も撮影する場合は、途中で照明やカメラ設定が変わっていないか確認しながら進めましょう。
3.カラーチェッカーを利用する
より正確に色を管理したい場合は、カラーチェッカーやカラーチャートを使用する方法があります。
カラーチェッカーには、基準となる複数の色やグレーが配置されています。
撮影時に商品と同じ照明条件でカラーチェッカーも撮影しておくことで、撮影後の画像編集で色を確認する基準として利用できます。
特に、
- 商品数が多い
- カラーバリエーションが多い
- 色の違いが重要な商品
などでは役立ちます。
4.RAWデータで撮影する
カメラによっては、JPEGだけでなくRAW形式で撮影できます。
RAWデータはカメラで記録した情報を多く保持しているため、撮影後に、
- ホワイトバランス
- 明るさ
- 色味
- ハイライト
- シャドウ
などを調整しやすい特徴があります。
ただし、RAWで撮影すれば自動的に正しい色になるわけではありません。
撮影時の照明や基準となる色を確認したうえで編集することが重要です。
Webで使用する画像のカラープロファイル
商品写真をWebサイトで使用するときは、カラープロファイルにも注意します。
画像には「どのような色の範囲を基準としているか」を示すカラープロファイルがあります。
Webで広く使用されているものの一つが「sRGB」です。
撮影・編集した画像をECサイトへ掲載する際は、使用するECシステムや画像の用途を確認したうえで適切なカラープロファイルで書き出します。
印刷用データとWeb用データでは使用する色の考え方が異なるため、印刷用に調整した画像をそのままWebへ使用すると、意図した色にならない場合があります。
画像を編集するときの注意点
撮影後に、
- 明るさ
- コントラスト
- 彩度
- ホワイトバランス
- 色相
などを調整することがあります。
商品写真では、写真を印象的に見せることだけを目的に色を大きく変えないことが重要です。
特に、
- リップ
- アイシャドウ
- アパレル
- 革製品
- インテリア
- 塗装された商品
などでは、編集によって商品の色が実物から大きく変わっていないか確認しましょう。
商品画像の編集についてはこちらの記事でも解説しています。
ECサイトの商品画像を編集する方法
モニターの色も確認する
画像編集に使用するモニター自体の色が大きくズレていると、その画面を基準に編集した写真にも影響します。
商品写真を継続的に編集する場合は、
- モニターの明るさ
- 色温度
- 表示モード
などを一定にして作業することが重要です。
より厳密に色を管理する場合は、モニターの色を測定して調整するキャリブレーション機器を使用する方法もあります。
ただし、すべての商品撮影で専用機器が必要というわけではありません。
商品や求められる色の精度に合わせて撮影・編集環境を整えましょう。
商品別に注意したい色の表現
アパレル
アパレルでは、商品の色だけでなく生地の素材によって光の反射が変わります。
同じ色でも、
- 光沢のある素材
- マットな素材
- 起毛素材
- 透ける素材
などでは写真上の見え方が異なります。
色だけでなく素材感も確認しながらライティングを調整しましょう。
コスメ
リップ、アイシャドウ、チークなどでは、商品の色が重要な情報になります。
商品単体の写真だけでなく、必要に応じて肌へ塗ったスウォッチ写真などを組み合わせることで、色や質感を伝えやすくなります。
ただし、肌の色や照明によって発色の見え方は変わるため、商品単体写真とあわせて掲載すると分かりやすくなります。
コスメ・化粧品の商品撮影方法
インテリア・家具
家具では、
- 木材
- ファブリック
- 革
- 金属
など複数の素材が一つの商品に使用されていることもあります。
特に木材は、光の方向や強さによって色だけでなく木目の見え方も変わります。
商品の特徴が自然に伝わるライティングを確認しましょう。
商品写真の色を確認するときのポイント
商品写真をECサイトへ掲載する前に、次の点を確認しましょう。
- 実物と比較して大きな色のズレがないか
- 同じシリーズの商品で色の基準が揃っているか
- 白やグレーが不自然な色になっていないか
- 明るくしすぎて色が薄くなっていないか
- 彩度を上げすぎていないか
- 商品の素材感が分かるか
- Web用の画像として適切に書き出されているか
可能であれば、一つの画面だけではなく複数の端末でも確認してみましょう。
商品写真で完全に同じ色を表示することはできる?
撮影や画像編集によって実物に近い色を目指すことはできますが、ユーザー側のディスプレイ環境まで完全に統一することはできません。
そのため、すべての環境で100%同じ色を表示することを目標にするのではなく、
- 撮影条件を統一する
- 色の基準を用意する
- 編集環境を整える
- 実物と比較する
- 必要以上に色を加工しない
といった方法で、撮影側で発生する色のズレをできるだけ小さくすることが重要です。
また、色の違いが特に重要な商品では、商品ページに
「閲覧環境によって実際の商品と色の見え方が異なる場合があります」
などの説明を加える方法もあります。
カラーマネジメントを意識した商品撮影をプロへ依頼する方法
商品写真の色を適切に表現するためには、カメラだけでなく、
- 照明
- ホワイトバランス
- 背景
- カラーチェッカー
- 画像編集
- モニター環境
など複数の要素を確認する必要があります。
特にアパレルやコスメなど、色が商品の選択に関係する商材では、撮影時から色の見え方を確認しながら進めることが重要です。
自社で撮影・編集環境を用意することが難しい場合は、商品撮影を専門とする撮影会社へ依頼する方法もあります。
AirPhotoでは、商品の色や素材、使用する媒体を確認しながら商品撮影を行っています。
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著者情報
著者:AirPhoto編集部
AirPhotoは、商品の魅力や特徴を写真で伝える商品撮影チームです。
商品単体の撮影からスタイリング、モデル撮影、レタッチまで、商品撮影の実務を通じて得た知見をもとに情報を発信しています。
