商品撮影の照明の当て方|ライティング6パターンと機材・セッティングを解説
商品撮影では、照明の位置や強さによって、商品の色・形・質感・立体感の見え方が大きく変わります。
同じ商品でも、正面から光を当てる場合と、横や後ろから光を当てる場合では写真の印象が異なります。
また、ガラスや金属、透明な商品などは周囲の光や撮影者が写り込みやすいため、商品の素材に合わせてライティングを調整することも重要です。
本記事では、商品撮影で使われる代表的な6つのライティング方法から、LEDライトやストロボなどの照明、レフ板・ディフューザーといった補助機材まで解説します。
商品撮影は照明の当て方で大きく変わる

同じ商品を撮影するときでも、光の方向や強さが変わると、写真の印象も変わります。
例えば、正面方向から光を当てると商品の正面を明るく見せやすくなります。一方、横方向から光を当てると陰影が生まれ、商品の凹凸や素材感を表現しやすくなります。
適したライティングは、
- 商品の大きさ
- 商品の形状
- 素材
- 色
- 表現したいイメージ
- 使用する媒体
などによって異なります。
照明が強すぎると、商品の一部が白飛びしたり、光沢部分の反射が強くなりすぎたりする場合があります。
反対に照明が弱すぎると、商品の色や細かな形状が分かりにくくなることがあります。
必要に応じてディフューザーで光をやわらかくしたり、レフ板で暗い部分を補ったりしながら調整しましょう。
スマートフォンで撮影する場合
スマートフォンで商品撮影をする場合も、照明を整えたうえで、
- ピント
- 明るさ
- ホワイトバランス
- 商品の色
- 手ブレ
などを確認しましょう。
オート撮影でも撮影できますが、意図した明るさや色にならない場合は、露出やホワイトバランスなどを調整します。
また、同じ構図で複数の商品を撮影する場合は、三脚を使用するとカメラの高さや位置を揃えやすくなります。
スマートフォン内蔵のフラッシュは商品へ直接強い光が当たりやすいため、実際の写りを確認したうえで使用するか判断しましょう。
商品撮影の照明の当て方6選

商品撮影では、光を当てる方向によって商品の見え方が変わります。
代表的なライティングの方向として、次の6つがあります。
- 正面から当てる
- 前斜めから当てる
- 真横から当てる
- 斜め後ろから当てる
- 真後ろから当てる
- 真上から当てる
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.正面から当てる
商品に対して正面方向から光を当てる方法です。
自然光などが商品の正面から当たる状態は「順光」と呼ばれます。
正面方向から光を当てると、商品の正面を明るく見せやすく、色やデザインなどを確認しやすい写真を撮影できます。
一方で、カメラと光源の位置が近い場合は陰影が弱くなり、商品が平面的に見えることがあります。
バッグやボトル、立体的な雑貨などでは、商品の形や凹凸が分かるように光の高さや位置を調整しましょう。
また、正面から強い光を当てると、光沢のある商品にカメラや照明が写り込む場合があります。
実際の写真を確認しながら、ライトの位置や角度を調整することが重要です。
2.前斜めから当てる
商品の斜め前方から光を当てる方法です。
正面からの光よりも陰影を作りやすく、商品の形や立体感を表現しやすくなります。
商品撮影では前方の斜め45度付近から光を当てる方法が使われることもありますが、必ず45度にする必要はありません。
商品の形や素材を確認しながら、
- ライトの高さ
- 商品との距離
- 左右の位置
- 光の強さ
を調整しましょう。
影が強く出る場合は、光源と反対側にレフ板を置いたり、フィルライトを追加したりする方法があります。
3.真横から当てる
商品の横方向から光を当てる方法です。
横から光を当てると、光が当たる側と反対側の明るさに差が生まれやすくなります。
そのため、
- 表面の凹凸
- 素材の質感
- 商品の立体感
などを見せたい場合に利用できます。
例えば、革製品や布製品などでは、横から光を当てることで表面の質感が分かりやすくなる場合があります。
一方、影が強くなりすぎると商品の色や形が確認しにくくなります。
必要に応じて反対側へレフ板や補助光を配置して、影の明るさを調整しましょう。
4.斜め後ろから当てる
商品の斜め後方から光を当てる方法は「半逆光」と呼ばれます。
商品後方から入った光によって輪郭を表現しやすく、商品の立体感やツヤ、透明感などを見せる場合にも利用できます。
例えば、
- ガラス
- 飲料
- 化粧品
- 透明なボトル
- 光沢のある商品
などでは、後方からの光を活用することがあります。
一方、商品の正面側が暗くなる場合があります。
その場合は、商品の前方にレフ板を配置したり、弱い補助光を使用したりして明るさを調整しましょう。
5.真後ろから当てる
商品の後方からカメラ方向へ光を当てる方法を「逆光」と呼びます。
透明な商品や液体、ガラスなどでは、商品を通過する光を利用して透明感を表現するために使われることがあります。
また、商品の輪郭を光で強調するライティングにも利用できます。
一方、逆光では商品正面が暗くなったり、背景側が明るくなりすぎたりすることがあります。
そのため、
- レフ板
- 補助光
- カメラの露出
- 商品と背景の距離
などを調整しながら撮影します。
人工照明を使用する場合は、ライト自体が写真に写り込まないかも確認しましょう。
6.真上から当てる
商品の真上方向から光を当てる方法です。
平置きの商品や、複数の商品・小物を組み合わせた俯瞰撮影などで利用できます。
例えば、
- 食品
- アクセサリー
- コスメ
- 文房具
- アパレル小物
などを上から撮影する場合に使いやすい方法です。
商品の真下に影が出る場合があるため、必要に応じてレフ板や別のライトを使用して調整します。
また、光の高さや照射範囲を変えることで、背景まで均一に照らしたり、商品周辺だけを明るくしたりすることもできます。
商品撮影で使う照明の役割

商品撮影では、自然光だけでなくLEDライトやストロボなどの人工照明を使用することがあります。
複数の照明を使用する場合は、それぞれのライトに役割を持たせて配置します。
代表的な役割は次の3つです。
- メインライト(キーライト)
- フィルライト
- アクセントライト
メインライト(キーライト)
メインライトは、商品を照らす中心となる光です。
キーライトと呼ばれることもあります。
商品の形や素材、表現したいイメージに合わせて、
- 正面
- 斜め前
- 横
- 斜め後ろ
などに配置します。
まずメインライトを配置し、商品の基本的な明るさや陰影を決めてから、必要に応じてほかの光を追加すると調整しやすくなります。
光が強すぎる場合は、ディフューザーなどを使用して光をやわらかくする方法もあります。
フィルライト
フィルライトは、メインライトによって生まれた影を明るくするための補助光です。
例えば商品を左側から照らした場合、右側が暗くなることがあります。
その場合、右側から弱いライトを当てることで明るさを補います。
メインライトと同じ強さにすると陰影がなくなりやすいため、実際の写真を確認しながら明るさを調整しましょう。
また、ライトを追加せず、レフ板でメインライトの光を反射させて代用することもできます。
アクセントライト
アクセントライトは、商品の輪郭や特定の部分を目立たせるために追加する光です。
例えば商品の後ろから光を当てることで輪郭を強調したり、商品の一部分に光を当てて質感を見せたりすることができます。
ガラスや透明な商品では、後方から光を入れて透明感を表現することもあります。
ただし、すべての商品撮影で複数の照明が必要なわけではありません。
商品や撮影目的によっては、メインライト1灯とレフ板だけで撮影することもあります。
まず必要最低限の照明から始め、必要に応じて補助光を追加していきましょう。
商品撮影で使われる主な光源
商品撮影では、主に自然光・LEDライト・ストロボなどが使用されます。
自然光
窓から入る光などを利用する方法です。
特別な照明機材がなくても撮影できますが、時間帯や天候によって光の強さや色が変化します。
同じ条件で大量の商品を撮影する場合は、光の変化に注意する必要があります。
LEDライト
LEDライトは常に光っているため、撮影前に商品へどのように光が当たっているか確認しやすいのが特徴です。
商品撮影向けのLEDライトには、明るさや色温度を調整できる製品もあります。
一方で、商品サイズや撮影内容によっては十分な光量を確保できない場合もあります。
ストロボ
ストロボは撮影する瞬間に強い光を発する照明です。
商品撮影やスタジオ撮影でも利用されています。
光量や位置、ディフューザーなどを組み合わせて使用します。
撮影時に発光するため、LEDライトなどの定常光とは調整方法が異なります。
どの照明が適しているかは、商品や撮影環境によって異なります。
商品撮影の照明を調整する便利な道具

商品撮影では、ライトだけでなく光を調整するための道具も使用します。
代表的なものとして、
- ディフューザー
- レフ板
- 撮影ボックス
があります。
ディフューザー
ディフューザーは、光源と商品の間に設置して光を拡散するための道具です。
ライトからの光を直接商品へ当てる場合と比べて、影やハイライトをやわらかくできます。
特に、
- ガラス
- 金属
- 光沢のあるパッケージ
- ボトル
などでは、光源そのものが商品へ強く反射する場合があります。
ディフューザーを使用して光源を大きく見せることで、反射の形や強さを調整できます。
ただし、光沢のある商品ではディフューザー自体が商品に反射することもあります。
商品の表面を確認しながら、位置や大きさを調整しましょう。
自然光で撮影する場合も、窓から入る光が強すぎるときにはカーテンなどで光をやわらかくする方法があります。
レフ板
レフ板は、光を反射させて商品の暗い部分を補うために使用します。
例えば商品を左側から照らしたとき、右側にレフ板を置くことで光を反射させ、右側の影を明るくできます。
レフ板には、
- 白
- 銀
- 黒
などがあります。
白いレフ板は光をやわらかく反射させるため、商品撮影でも利用しやすい方法です。
また、白い厚紙やボードなどで代用できる場合もあります。
一方、黒いボードは光を反射させるのではなく、反射を抑えたり、金属やガラスなどの輪郭を作ったりするために利用することがあります。
撮影ボックス
撮影ボックスは、周囲を拡散素材などで囲み、商品の周囲へ光を回しやすくした撮影用品です。
アクセサリーや小物などの商品撮影に利用できます。
商品サイズに対して撮影ボックスが小さすぎると、商品の周囲に十分な余白を取れない場合があります。
購入するときは、撮影する商品に合ったサイズを選びましょう。
また、撮影ボックスを使用した場合でも、商品の形や素材によっては影や反射の調整が必要になります。
撮影ボックスについては、以下の記事で詳しく解説しています。
撮影ボックスの使い方・選び方
商品の素材によってライティングを変える
同じライティングでも、商品の素材によって光の見え方は変わります。
ガラス・透明な商品
透明な商品では、正面から明るく照らすだけでは商品の輪郭が分かりにくくなる場合があります。
後ろから光を通したり、白や黒のボードを利用して輪郭を作ったりする方法があります。
金属・光沢のある商品
金属や光沢のある商品は、周囲の照明やカメラ、撮影者などが商品表面へ写り込みやすいのが特徴です。
商品の表面を確認しながら、ライトやディフューザー、白・黒のボードなどの位置を調整します。
白い商品
白い商品では、明るくしすぎると表面の凹凸や輪郭が分かりにくくなることがあります。
背景と商品の境界が分かるように、光や影を調整しましょう。
布・革などの素材
布や革では、横や斜め方向から光を当てることで、表面の織りや凹凸、質感が見えやすくなる場合があります。
光が強すぎる場合はディフューザーなどを使用し、素材が自然に見えるよう調整しましょう。
照明と一緒に確認したいポイント

商品写真では、照明だけでなく背景やスタイリングも仕上がりに影響します。
背景
背景の色や素材によって、商品の見え方だけでなく光の反射も変わります。
例えば、
- 白背景
- カラー背景
- 布
- 木材
- アクリル板
など、商品や撮影目的に合わせて背景を選びます。
背景については以下の記事で詳しく解説しています。
商品撮影の背景の選び方
白背景の商品撮影についてはこちらをご覧ください。
白背景の商品写真の撮り方
スタイリング
商品単体を分かりやすく撮影する写真だけでなく、小物や背景を組み合わせてブランドイメージや使用シーンを表現する「スタイリング写真」を撮影する方法もあります。
例えば、食器であれば料理やカトラリー、コスメであれば植物や布などを組み合わせることで、使用イメージを表現できます。
ただし、小物が商品より目立ってしまわないよう、全体のバランスを確認することが重要です。
商品撮影全般については以下の記事もご覧ください。
物撮り・商品撮影のコツ
商品撮影のライティングでよくある失敗
商品の一部が白飛びする
光が強すぎたり、光沢部分へ直接強い光が当たったりすると、商品の一部が白く飛んで細部が見えなくなることがあります。
ライトの強さや位置を変更したり、ディフューザーを使用したりして調整しましょう。
商品が暗く見える
商品へ十分な光が当たっていない場合や、逆光・半逆光で前面が暗くなっている場合があります。
レフ板やフィルライトを使用し、必要な部分の明るさを補います。
影が強すぎる
ライトが商品へ直接強く当たっていると、濃い影ができる場合があります。
光源を大きくしたり、ディフューザーを使用したりすることで影をやわらかくできます。
カメラや照明が写り込む
ガラスや金属、光沢のある商品では周囲のものが反射します。
商品の表面を確認しながら、カメラ・ライト・レフ板などの位置を調整しましょう。
商品の色が実物と違う
光源の色やホワイトバランスによって、商品が実物より黄色や青に見える場合があります。
撮影した写真と実物を比較しながら、照明やホワイトバランスを調整しましょう。
商品撮影のライティングをプロへ依頼する方法

商品撮影では、商品の形・色・素材によって適した光の方向や強さが異なります。
特に、
- ガラス
- 金属
- 透明な商品
- 光沢のある商品
- 白い商品
などは、反射や写り込みを確認しながらライティングを調整する必要があります。
また、ECサイトの商品単体写真と、広告やSNSで使用するイメージ写真では、適したライティングが異なる場合もあります。
自社で撮影環境を用意することが難しい場合は、商品撮影を専門とする撮影会社へ依頼する方法もあります。
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著者情報
著者:AirPhoto編集部
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