画像を300dpiにする方法|Windows・Mac・iPhone・スマホ別に解説
印刷会社への入稿や画像データの提出時に、「300dpi以上で用意してください」と指定されることがあります。
しかし、画像のプロパティを確認して「72dpi」「96dpi」と表示されていると、「300dpiに変更すれば画質が上がるの?」「画像サイズを変更する必要がある?」「スマホで撮った写真でも300dpiにできる?」と迷うこともあるでしょう。
300dpiで重要なのは、単純にdpiの数値を300へ変更することではありません。実際に使用するサイズに対して、十分なピクセル数があるかどうかが重要です。
本記事では、300dpiの意味、必要なピクセル数の計算方法、画像を300dpiにする方法、Windows・Mac・スマホで確認するときのポイントを解説します。
目次
- 300dpiとは
- dpiとピクセル数の違い
- 300dpiに必要なピクセル数
- 画像を300dpiにする2つの方法
- Photoshopで300dpiに変更する方法
- Windowsで画像のdpiを確認する方法
- Macで画像のdpiを確認・変更する方法
- iPhone・スマホの写真を300dpiで使う方法
- dpiを300にしても画質が上がらない理由
- 72dpiの画像でも300dpiで印刷できる?
- 300dpiにすると画像サイズが小さくなる理由
- ECサイトの商品画像に300dpiは必要?
- 300dpiにするときによくある失敗
- 印刷用の商品写真は撮影時から高解像度で残す
- まとめ
300dpiとは
dpiは「dots per inch」の略で、1インチの中にいくつの点を配置するかを示す単位です。
300dpiの場合は、1インチの中に300個の点を配置するという意味になります。
主に印刷物の解像度を考えるときに使用されます。
例えば、
- カタログ
- チラシ
- パンフレット
- ポスター
- 商品パッケージ
- 雑誌
などに写真を使用するとき、入稿データとして300dpi前後を求められることがあります。
ただし、「300dpi」と設定しただけで画像が高画質になるわけではありません。
dpiとピクセル数の違い
300dpiを理解するうえで重要なのが、dpiとピクセル数は別のものという点です。
ピクセルとは
ピクセルは、デジタル画像を構成する小さな点です。
例えば、
3000×2000px
という画像なら、横方向に3000ピクセル、縦方向に2000ピクセルあります。
dpiとは
dpiは、その画像を印刷するときに、1インチあたりどの程度の密度で配置するかを表します。
つまり、
ピクセル数=画像そのものが持っている情報量
dpi=印刷するときの密度
と考えると分かりやすくなります。
解像度については、以下の記事でも詳しく解説しています。
画像の解像度とは?
300dpiに必要なピクセル数
300dpiで印刷するために必要なピクセル数は、印刷する大きさによって変わります。
計算式は以下です。
印刷サイズ(インチ)× 300 = 必要なピクセル数
1インチは約2.54cmです。
例えば、横10cmで印刷する場合は、
10 ÷ 2.54 = 約3.94インチ
3.94 × 300 = 約1,181px
となります。
つまり、横10cmで300dpi印刷するなら、横方向に約1,181px必要です。
A4サイズを300dpiで印刷する場合
A4サイズは約210×297mmです。
300dpiで使用する場合、目安となるピクセル数は、
約2480×3508px
です。
A3サイズを300dpiで印刷する場合
A3サイズは約297×420mmです。
300dpiでは、
約3508×4961px
程度が目安になります。
つまり、同じ300dpiでも、印刷サイズが大きくなれば必要なピクセル数も増えます。
画像を300dpiにする2つの方法
「300dpiにする」といっても、実際には2つの意味があります。
1. dpi情報だけを300に変更する
元画像のピクセル数を変えず、dpiの数値だけを300へ変更する方法です。
この場合、画像そのものの情報量は増えません。
例えば3000px幅の画像を、
72dpi
↓
300dpi
に変更しても、画像が3000pxであること自体は変わりません。
変わるのは、主に印刷時に想定されるサイズです。
2. ピクセル数も増やす
元画像のピクセル数が足りない場合は、画像を拡大する必要があります。
これを「再サンプル」などと呼びます。
ただし、1000pxの画像を3000pxに変更したからといって、本来存在しなかった細かな情報が完全に復元されるわけではありません。
画像処理ソフトやAIによるアップスケールで見た目を補完できる場合もありますが、元画像の品質が重要です。
Photoshopで画像を300dpiに変更する方法
Adobe Photoshopを使用する場合は、「画像解像度」から確認・変更できます。
ピクセル数を変えず300dpiにする場合
Photoshopで画像を開き、画像 → 画像解像度を選びます。
その後、
- 「再サンプル」のチェックを外す
- 解像度を300に変更する
- 印刷サイズを確認する
という手順で設定します。
この場合、元のピクセル数は変わりません。
dpiを変更した分、印刷時のサイズが変化します。
ピクセル数も増やす場合
元画像のピクセル数が不足している場合は、「再サンプル」を有効にして画像サイズを変更します。
ただし、元画像より大幅に拡大すると、
- 輪郭がぼやける
- ノイズが目立つ
- 細かな文字が崩れる
- 商品の質感が失われる
場合があります。
まず元画像のサイズを確認することが重要です。
Windowsで画像のdpiを確認する方法
Windowsでは、画像ファイルの情報からdpiを確認できる場合があります。
画像ファイルを右クリックし、プロパティ → 詳細を開きます。
画像によっては、
- 水平方向の解像度
- 垂直方向の解像度
- 幅
- 高さ
などを確認できます。
ただし、ファイルによってはdpi情報が記録されていない場合もあります。
また、ここに表示されるdpiの数値だけで画像品質を判断することはできません。
必ずピクセル数も確認してください。
Macで画像のdpiを確認・変更する方法
Macでは「プレビュー」などで画像サイズを確認できます。
画像をプレビューで開き、ツール → サイズを調整から、
- 幅
- 高さ
- 解像度
を確認できます。
画像を300dpiへ変更する場合も、ここで解像度を調整できます。
ただし、「画像を再サンプル」の設定によって、ピクセル数が変化する場合があります。
ピクセル数を維持したままdpiだけ変更したい場合は、再サンプルを行わないようにします。
iPhone・スマホの写真を300dpiで使う方法
iPhoneやAndroidスマートフォンでは、通常、撮影時に「300dpi」という設定を意識する必要はありません。
重要なのは、写真が何ピクセルあるかです。
例えば、横4032pxの写真がある場合、4032 ÷ 300 = 約13.44インチとなります。
13.44インチは約34.1cmです。
つまり理論上は、横約34cmまで300dpi相当で使用できるピクセル数を持っている計算になります。
スマホ写真を送るときは圧縮に注意する
スマホで撮影した写真は十分なピクセル数を持っていても、送信方法によって画像が小さくなる場合があります。
例えば、
- SNSへ投稿して保存し直す
- 一部のメッセージアプリから保存する
- 画像を小さいサイズでメール送信する
- スクリーンショットを使用する
と、元画像より解像度が下がることがあります。
印刷や入稿に使用する場合は、できるだけ元データを使用しましょう。
dpiを300にしても画質が上がらない理由
「72dpiを300dpiに変更したら高画質になる」
と思われることがありますが、必ずしもそうではありません。
例えば、1000×1000px・72dpiの画像があったとします。
これを、1000×1000px・300dpiに変更しても、画像そのものは1000×1000pxのままです。
つまり、細かな画像情報が増えたわけではありません。300dpiに変更することで、適切な印刷サイズが変わっただけです。
画像自体の画質を改善したい場合は、以下の記事も参考にしてください。
画像・写真の解像度を上げる方法
72dpiの画像でも300dpiで印刷できる?
できます。
重要なのは元画像のピクセル数です。
例えば3000×3000pxの画像なら、300dpiで使用した場合、
3000 ÷ 300 = 10インチ
となります。
約25.4cm四方まで300dpi相当で使用できます。
画像ファイル上に「72dpi」と記録されていても、十分なピクセル数があれば300dpiで印刷できる場合があります。
そのため、「72dpiだから使えない」と数値だけで判断しないことが重要です。
300dpiにすると画像サイズが小さくなる理由
再サンプルをせずに72dpiから300dpiへ変更すると、印刷サイズが小さく表示されることがあります。
これは正常です。
例えば3000pxの画像の場合、72dpiなら、3000 ÷ 72 = 約41.7インチ
300dpiなら、3000 ÷ 300 = 10インチとなります。
同じ3000ピクセルを、より高密度で配置するため、印刷サイズが小さくなるという仕組みです。
ECサイトの商品画像に300dpiは必要?
ECサイトの商品画像では、通常、印刷用の300dpiそのものを基準にする必要はありません。
Web上では、
- 画像のピクセル数
- 表示される大きさ
- ファイル容量
- 画像の圧縮
- 拡大表示時の画質
などが重要です。
例えば商品画像が1000×1000pxで表示されるのであれば、その表示サイズに対して十分なピクセル数があるかを確認します。
「72dpiだからWebでは低画質」「300dpiだからWebでは高画質」という単純な判断はできません。
ECサイトの商品画像サイズについては以下の記事でも解説しています。
通販サイトの商品画像サイズガイド
300dpiにするときによくある失敗
dpiの数字だけを変更して安心する
300dpiと表示されていても、元画像のピクセル数が不足していれば、大きなサイズで高品質に印刷することはできません。
小さな画像を大幅に拡大する
画像編集ソフトでピクセル数を増やしても、元画像のディテールが完全に復元されるわけではありません。
できるだけ高解像度の元画像を使用しましょう。
SNSから保存した画像を使用する
SNSなどにアップロードした画像は、圧縮やリサイズが行われている場合があります。
元データがある場合は、元画像を使用します。
スクリーンショットを使用する
スクリーンショットは、元写真よりも画像サイズや品質が低くなることがあります。
入稿データには適していない場合があります。
dpiだけで画質を判断する
画像品質は、
- ピクセル数
- ピント
- ノイズ
- 圧縮状態
- 撮影時の画質
- 使用サイズ
などによって決まります。
dpiだけを見て判断しないことが重要です。
印刷用の商品写真は撮影時から高解像度で残す
商品写真を、
- ECサイト
- SNS
- 広告
- カタログ
- パンフレット
- POP
- パッケージ
など複数の用途で使用する可能性がある場合は、撮影時から十分なサイズの画像を残しておくことをおすすめします。
Web用に小さくした画像は後から作れますが、一度小さくした画像から大判印刷用の高解像度画像を作るには限界があります。
元データは高解像度で保存し、用途ごとに画像を書き出す運用にすると使いやすくなります。
まとめ
300dpiとは、主に印刷時の画像密度を示す数値です。
画像を300dpiで使用するときに最も重要なのは、印刷するサイズに対して十分なピクセル数があるかという点です。
確認するときは、
- 元画像のピクセル数を確認する
- 使用する印刷サイズを確認する
- 必要なピクセル数を計算する
- 必要に応じてdpi情報を300へ設定する
- 不足している場合は、より大きな元画像を用意する
という順番で考えると分かりやすくなります。
また、ECサイトなどWeb上で商品写真を使用する場合は、300dpiという数値よりも、実際のピクセル数やファイル容量、表示サイズを確認することが重要です。
AirPhotoでは、ECサイトや広告だけでなく、さまざまな使用用途を想定した商品撮影に対応しています。
撮影後の用途が複数ある場合は、必要な画像サイズについても事前にご相談いただけます。
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著者情報
著者:AirPhoto編集部
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商品撮影・スタイリング・モデル撮影・動画撮影・レタッチなどの実務を通じて得た知見をもとに、ECや商品写真に関する情報を発信しています。
