白背景の商品写真の撮り方|白抜きとの違い・撮影方法・加工のコツ
ECサイトや通販モールの商品写真では、白背景の画像がよく使用されています。
背景をシンプルな白にすることで、商品の形・色・デザインが分かりやすくなり、複数の商品を並べた際にも統一感を出しやすくなります。
一方で、実際に撮影してみると、
「背景がグレーになってしまう」
「商品まで白く飛んでしまう」
「不自然な影が出る」
「切り抜いた商品の輪郭がギザギザになる」
など、きれいな白背景に仕上げるのは意外と簡単ではありません。
本記事では、白背景の商品写真を撮影する方法から、撮影後に背景を白抜きする方法、ライティングや編集のポイントまで解説します。
白背景の商品写真とは
白背景の商品写真とは、商品以外の背景を白くした写真です。
ECサイトでは、商品の形や色、サイズなどを分かりやすく見せるための商品単体写真としてよく使用されています。
白背景の商品写真を作る方法は、大きく分けると次の2つです。
- 白い背景紙などを使用して撮影する
- 撮影後に商品を切り抜き、背景を白にする
撮影時点で背景を白く仕上げる方法と、撮影後の画像編集で白く仕上げる方法では、必要な機材や作業内容が異なります。
「白背景」と「白抜き」の違い
「白背景」と「白抜き」は同じような意味で使われることもありますが、商品撮影では分けて考えると分かりやすくなります。
白背景
白い背景紙や白い撮影台などを使い、実際に白い背景の状態で撮影する方法です。
撮影時のライティングによって、背景の白さや商品の影を調整します。
白抜き
撮影した画像から商品部分を切り抜き、背景を白色に置き換える方法です。
商品の輪郭に沿って切り抜くため、
- 髪の毛
- 毛足のある商品
- 透明な商品
- 細かなチェーン
- 複雑な形の商品
などでは、切り抜き作業の難易度が高くなります。
白い背景で撮影したうえで、最終的にレタッチで背景を純白に整える方法もあります。
なぜECサイトでは白背景の商品写真が使われるのか
白背景には、商品写真としていくつかのメリットがあります。
商品そのものを確認しやすい
背景に柄や小物がないため、商品の形や色、デザインなどを確認しやすくなります。
特にECサイトでは実際の商品を手に取れないため、商品単体の写真は重要な情報の一つになります。
商品一覧に統一感を出しやすい
複数の商品写真で背景を白に統一すると、商品一覧ページに並べた際にも見た目を揃えやすくなります。
商品ごとに背景の色や明るさ、構図が大きく異なると一覧画面が不揃いに見えるため、シリーズ商品では撮影条件を統一することも重要です。
別のクリエイティブにも利用しやすい
商品単体の画像を切り抜いておけば、
- バナー
- 広告
- LP
- SNS
- カタログ
- 比較画像
など、別のクリエイティブにも利用できます。
商品単体写真とスタイリング写真の両方を用意しておくと、用途に応じて使い分けやすくなります。
通販モールでは白背景が必要?
ECモールによって、メイン画像や商品画像のルールは異なります。
特にAmazonでは、メイン画像について純白背景(RGB:255・255・255)が求められています。また、商品が画像の大部分を占めることなど、背景以外にも商品画像の基準があります。
一方、すべてのECサイトや商品画像で白背景が必須というわけではありません。
商品単体を見せるメイン画像と、
- 使用イメージ
- スタイリング写真
- ディテール写真
- サイズ比較
- 使用方法
などを伝える追加画像を組み合わせることが重要です。
各ECモールの画像ルールについては、以下の記事もご覧ください。
Amazonの商品画像に関する規定
楽天市場の商品画像に関する規定
Yahoo!ショッピングの商品画像に関する規定
白背景の商品写真を作る2つの方法
白背景の商品写真を作る代表的な方法を紹介します。
1.白い背景を使って撮影する
もっとも基本的なのは、白い背景紙や撮影台を使って撮影する方法です。
必要になるものとしては、
- カメラまたはスマートフォン
- 白い背景紙
- 照明
- 三脚
- レフ板
- ディフューザー
などがあります。
商品や撮影環境によって必要な機材は異なります。
白い背景を用意するだけでは、写真上で背景が完全な白になるとは限りません。
照明の位置や明るさによっては、
- グレーに見える
- 青みや黄みが出る
- 商品の後ろに濃い影ができる
- 商品まで白飛びする
といったことがあります。
商品そのものが自然に見える明るさを基準に、背景とのバランスを調整しましょう。
商品撮影の照明の当て方を見る
商品撮影の背景紙の選び方を見る
2.編集で背景を白抜きする
もう一つは、撮影後に商品を切り抜き、背景を白に変更する方法です。
Photoshopなどの画像編集ソフトのほか、近年では背景を自動で削除できるツールもあります。
単純な形の商品であれば自動切り抜きでもきれいに仕上がることがあります。
一方、
- 透明・半透明の商品
- ガラス
- 毛のある商品
- 細かなチェーン
- 複雑な輪郭の商品
- 背景と商品の色が似ている写真
などでは、輪郭を正確に認識できないことがあります。
自動で切り抜いた場合も、画像を拡大し、
- 輪郭がギザギザしていないか
- 商品の一部が消えていないか
- 背景が残っていないか
- 不自然な白い縁ができていないか
を確認しましょう。
ECサイトの商品画像を編集する方法
白背景の商品写真を撮影する手順
ここからは、実際に白背景で商品を撮影するときの基本的な流れを紹介します。
1.必要な写真と構図を決める
最初に、何のために撮影する写真なのかを確認します。
例えばECサイトの商品写真なら、
- 正面
- 側面
- 背面
- 上面
- ディテール
- パッケージ
など、必要な写真を決めておきます。
シリーズ商品では、商品ごとの角度や大きさを統一できるように構図も決めておきましょう。
2.白い背景をセットする
商品サイズに合った白い背景紙などをセットします。
商品と背景の距離が近すぎると濃い影が出ることもあるため、商品の形や撮影環境に合わせて位置を調整します。
背景紙に、
- 汚れ
- 折れ
- しわ
- 色ムラ
などがないかも確認しましょう。
3.ライティングを調整する
白背景だからといって、単純に強い光を当てればよいわけではありません。
背景を明るくしすぎると、商品の輪郭が見えにくくなったり、白い商品が背景に溶け込んだりする場合があります。
反対に光量が足りないと、背景がグレーに見えることがあります。
テスト撮影を行い、
- 商品の色
- 商品の形
- 素材感
- 影
- 背景の明るさ
を確認しながらライトの位置や強さを調整します。
4.カメラを固定して撮影する
商品一覧に使用する写真では、商品ごとに構図が変わりすぎないようにすることも大切です。
三脚を使用すると、
- カメラの高さ
- 商品との距離
- アングル
を固定しやすくなります。
同じシリーズの商品を複数撮影する場合は、商品だけを入れ替えて同じ条件で撮影すると統一しやすくなります。
5.必要なアングルを撮影する
正面写真だけでは、商品のすべての情報を伝えられないことがあります。
商品によって、
- 横
- 後ろ
- 上
- 底面
- 内部
- 素材のアップ
- ロゴや細部
なども撮影しましょう。
ECサイトで必要な商品画像の種類についてはこちらでも解説しています。
ECサイトの商品撮影・商品画像の作り方
6.撮影後に画像を調整する
撮影後は必要に応じて、
- 明るさ
- ホワイトバランス
- 色味
- トリミング
- 商品の位置
- 背景
- 汚れやホコリ
などを調整します。
このとき重要なのは、背景を白くすることを優先して商品自体の色まで変えてしまわないことです。
商品の色や質感を確認しながら調整しましょう。
白背景の商品写真をきれいに撮る5つのポイント
1.商品と背景を同じ明るさで考えない
背景を白くしようとして写真全体を明るくすると、商品まで白飛びする場合があります。
商品と背景は分けて考え、商品の見え方を確認しながらライティングやレタッチを調整しましょう。
2.商品の輪郭を確認する
特に、
- 白い商品
- 透明な商品
- シルバーの商品
- ガラス製品
などは白背景との境界が分かりにくくなる場合があります。
必要に応じて影や反射を利用し、商品の輪郭が分かるようにします。
3.適切な余白を取る
商品が小さすぎると詳細が見えにくくなります。
一方、商品が画像いっぱいになりすぎると、端が切れたり窮屈な印象になったりします。
掲載するECサイトの画像基準を確認しながら余白を決めましょう。
Amazonではメイン画像について、商品が画像枠の85%以上を占めるという基準も示されています。
4.シリーズ商品の構図を統一する
同じシリーズの商品では、
- カメラの高さ
- 撮影距離
- 商品の角度
- 商品の位置
- 背景の明るさ
などを揃えましょう。
商品一覧に並んだときに比較しやすくなります。
5.影をすべて消そうとしない
「白背景=影が一切ない写真」とは限りません。
適度な影は、商品の形や奥行きを伝える役割もあります。
どの程度の影を残すかは、商品や使用する媒体に合わせて決めましょう。
Amazonでも、白い商品のメイン画像について最小限の影を利用する方法が案内されています。
商品別に注意したい白背景撮影のポイント
白い商品
白い商品を白背景で撮影すると、商品の輪郭が背景に溶け込むことがあります。
商品の立体感が分かる程度の影や反射を残し、背景と商品の境界を確認しましょう。
ガラス・透明な商品
透明な商品は、単に明るく照らすだけでは形が分かりにくくなります。
白いレフ板だけでなく、黒いボードなどを使用して商品の輪郭を反射させる方法もあります。
金属・光沢のある商品
金属製品は周囲のカメラや撮影者、照明などが写り込みやすい商品です。
ライトの位置だけでなく、白や黒のボードを利用して反射を調整します。
食品
食品では、背景を白くすることだけを優先せず、商品の色や質感が自然に見えることも重要です。
パッケージ商品であれば、文字や色が正確に見えるかも確認しましょう。
白背景撮影でよくある失敗
背景がグレーになる
背景への光量が不足している、カメラの露出設定などが原因として考えられます。
ただし、写真全体を明るくすると商品まで白飛びする場合があります。
商品と背景の両方を確認しながら調整しましょう。
商品の色が実物と違う
照明の色やホワイトバランスによって、実物より黄色や青に見えることがあります。
商品を実物と見比べながら調整します。
商品の輪郭が不自然になる
白抜き加工では、商品と背景の境界を正しく切り抜けていないことがあります。
特に細かなパーツや透明素材は拡大して確認しましょう。
商品にホコリや傷が目立つ
白背景の商品単体写真では、商品そのものへ視線が集中するため、小さなホコリや指紋も目立つことがあります。
撮影前に商品を清掃し、撮影後にも拡大して確認しましょう。
白背景はGoogle画像検索やSEOに有利?
白背景にしただけで、Google検索で上位表示されるわけではありません。
Googleの画像SEOに関する公式ガイドでは、画像を検索エンジンが発見できる状態にすることや、ページとの関連性、分かりやすいファイル名・代替テキスト、高品質な画像と表示速度などが推奨されています。
ECサイトの商品写真でも、白背景かどうかだけではなく、
- 商品が分かる高品質な画像を使用する
- 商品に関連する文章の近くに画像を掲載する
- 内容の分かるファイル名を使用する
- 適切なalt属性を設定する
- 大きすぎる画像を最適化する
なども重要です。
白背景はあくまで商品を分かりやすく伝えるための撮影方法の一つと考えましょう。
白背景の商品撮影実績
スキンケア

コメント:商品が目立つように比較的シンプルに撮影いたしました。小物はブロックを使用。遠近感をつけ配置し少しボケ感を出すことでメインの商品を邪魔せず、雰囲気あるように仕上げました。
食品

コメント:イチゴ味のスコーンの撮影は、実際にイチゴを使用して撮影いたしました。若干グレーよりの色味で、落ち着いたイメージを出しつつ高級感もあるように光の調整をして仕上げました。
キッチン用品

コメント:背景を真っ白にする場合、単純に明るく撮影をすると商品自体が白飛びをしてしまいます。そのため商品が綺麗に見える明るさで撮影をし、背景はレタッチで調整して仕上げました。
撮影実績をもっと見る
白背景の商品写真に関するよくある質問
白背景と白抜きは同じですか?
同じ意味として使われることもありますが、撮影工程では分けて考えることができます。
白背景撮影は白い背景を使用して撮影する方法、白抜きは撮影後に商品を切り抜いて背景を白にする方法です。
スマートフォンでも白背景の商品写真は撮影できますか?
撮影できます。
ただし、カメラの性能だけでなく、照明、背景、ホワイトバランス、商品の配置などによって仕上がりは変わります。
白い商品を白背景で撮影できますか?
可能です。
白い商品では背景との境界が分かりにくくなるため、影や反射を調整して商品の輪郭や立体感を表現します。
背景は撮影時に完全な白にする必要がありますか?
必ずしも撮影時点で完全な白にする必要はありません。
商品が自然に見える状態で撮影し、必要に応じて撮影後の編集で背景を調整する方法もあります。
Amazonの商品画像は白背景が必要ですか?
Amazonでは、メイン画像について原則として純白背景(RGB:255・255・255)が求められています。追加画像では使用シーンなどの商品情報を伝える画像も使用できます。
最新の詳細についてはAmazonの商品画像ガイドラインを確認してください。
Amazonの商品画像に関する規定を見る
白背景の商品撮影をプロへ依頼する方法
白背景の商品写真は一見シンプルですが、商品自体の色や質感を保ちながら背景を白く仕上げるには、ライティングやカメラ設定、レタッチの調整が必要になる場合があります。
特に、
- 白い商品
- 透明な商品
- ガラス
- 金属
- 光沢素材
- 輪郭が複雑な商品
などは、背景との境界や反射を確認しながら撮影する必要があります。
また、ECサイトでは白背景の商品単体写真だけでなく、ディテール写真やスタイリング写真、使用イメージなどを組み合わせることも重要です。
自社で撮影環境や画像編集環境を用意することが難しい場合は、商品撮影を専門とする撮影会社へ依頼する方法もあります。
AirPhotoでは、白背景の商品撮影をはじめ、スタイリング撮影、モデル撮影、レタッチなどに対応しています。
AirPhotoの商品撮影サービスを見る
商品撮影代行について詳しく見る
AirPhotoの商品撮影実績を見る
お問い合わせはこちら
お急ぎの場合はこちら
著者情報
著者:AirPhoto編集部
AirPhotoは、商品の魅力や特徴を写真で伝える商品撮影チームです。商品単体の撮影からスタイリング、モデル撮影、レタッチまで、商品撮影の実務を通じて得た知見をもとに情報を発信しています。
