5年間の国内EC市場を調査!EC市場規模は拡大傾向

5年間の国内EC市場を調査!EC市場規模は拡大傾向

日本のEC市場は、この数年で「成長期」から「定着・拡大フェーズ」へとステージを変えています。
コロナ禍をきっかけに一気に利用が広がり、その後も成長を続けています。
直近5年間の流れを、物販・サービス・デジタル・CtoC・越境ECまでまとめて解説いたします。

2020年度「コロナ禍で一気に加速」

2020年度
経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)

2020年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、外出自粛・百貨店や飲食店の休業が相次ぎ、 物販系ECの利用が急増した年 です。
経済産業省が2021年7月に発表したデータによると、通販の市場規模(消費者向け通販)が19.3兆円でした。
新型コロナウイルスの感染症が拡大した昨年は、外出自粛が呼びかけられ、百貨店や飲食店が相次いで休業した為、物販系分野の通販利用者が急増し、EC化率も8%となりました。

2021年度「市場は20兆円を突破し、BtoBも電子化が進む」

2021年度
経済産業省「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」

日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、20.7兆円(前年19.3兆円、前々年19.4兆円、前年比7.35%増)に拡大。
また、令和2年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は372.7兆円(前年334.9兆年、前々年353.0兆円、前年比11.3%増)に増加しました。
EC化率は、BtoC-ECで8.78%(前年比0.7ポイント増)、BtoB-ECで35.6%(前年比2.1ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。

分野別BtoC-EC市場規模

BtoC-ECの市場規模及び各分野の伸長率
BtoC-ECの市場規模及び各分野の伸長率

物販系分野

物販系分野のBtoC-EC市場規模
物販系分野のBtoC-EC市場規模
物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「食品、飲料、酒類」(2兆5,199億円)、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆4,584億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆4,279億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆2,752億円)の割合が大きく、これらの上位4カテゴリー合計が2兆円を突破するとともに、物販系分野の73%を占めています。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響で令和2年には物販系分野のBtoC-EC市場規模の大幅な拡大が見られたところ、令和3年は消費者の間で徐々に外出機会が回復したにも関わらず、物販系分野のBtoC-EC市場規模が引き続き増加しています。これは、ECの利用が消費者の間で徐々に定着しつつあることの証左と考えられます。令和3年における物販系分野のBtoC-EC市場規模は令和2年に比べると伸びが鈍化していますが、我が国の個人消費における物品購入が概ね横ばいで推移していることを鑑みると、物販系分野のBtoC-EC市場規模の成長率は高いと評価できるでしょう。
EC化率については、「書籍、映像・音楽ソフト」(46.20%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(38.13%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(28.25%)において高い値となっています。

サービス系分野

サービス系分野のBtoC-ECの市場規模
サービス系分野のBtoC-ECの市場規模
サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「旅行サービス」(1兆4,003億円)が大きな割合を占めています。令和2年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で「旅行サービス」、「飲食サービス」、「チケット販売」の市場規模が前年比で大きく縮小したところ、令和3年は「チケット販売」の市場規模が回復しました。

デジタル系分野

デジタル系分野のBtoC-EC市場規模
デジタル系分野のBtoC-EC市場規模
デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「オンラインゲーム」(1兆6,127億円)が大きな割合を占めています。令和2年の伸び率より鈍化しているものの、「オンラインゲーム」、「有料動画配信」、「電子出版(電子書籍・電子雑誌)」市場拡大の背景には、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた巣ごもり消費が背景にあると考えられます。

国内電子商取引市場規模(CtoC)

CtoC-EC推定市場規模
CtoC-EC推定市場規模
近年、ECチャネルの一つとして個人間EC(CtoC-EC)が急速に拡大していることを踏まえ、平成28年から、CtoC-EC市場規模※2推計を実施しています。
令和3年のCtoC-ECの市場規模は2兆2,121億円(前年比12.9%増)と推計されました。市場規模拡大の背景には、BtoC-EC市場同様、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響で、インドアで楽しむエンタメ・ホビー用品の購入が増加したことが挙げられます。

日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模

日本・米国・中国3ヵ国の越境EC市場規模
日本・米国・中国3ヵ国の越境EC市場規模
令和3年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加しました。なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆1,382億円(前年比9.7%増)、米国事業者からの越境EC購入額は2兆5,783億円(前年比11.5%増)であり、昨年に引き続き増加しています。

2022年度「成長が続き、EC化率は9%へ」


経済産業省「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」

経済産業省が2023年8月に発表したデータによると、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、22.7兆円(前年20.7兆円、前々年19.3兆円、前年比9.91%増)に拡大しています。また、令和4年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は420.2兆円(前年372.7兆円、前々年334.9兆円、前年比12.8%増)に増加しました。
また、EC化率は、BtoC-ECで9.13%(前年比0.35ポイント増)、BtoB-ECで37.5%(前年比1.9ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。

分野別BtoC-EC市場規模

BtoC-ECの市場規模及び各分野の増減率

物販系分野

物販系分野のBtoC-EC市場規模

物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「食品、飲料、酒類」(2兆7,505億円)、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆5,528億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆5,499億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆3,541億円)の割合が大きく、これらの上位4カテゴリーが2兆円を超過するとともに、物販系分野の73%を占めています。EC化率については、「書籍、映像・音楽ソフト」(52.16%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(42.01%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(29.59%)において高い値となっています。

サービス系分野

サービス系分野のBtoC-ECの市場規模

サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「旅行サービス」(2兆3,518億円)が大きな割合を占めています。令和4年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に落ち込んでいた旅行サービス、飲食サービス、チケット販売が外出需要の増加と共に大きく回復しました。

デジタル系分野

デジタル系分野のBtoC-EC市場規模

デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「オンラインゲーム」(1兆3,097億円)が大きな割合を占めていますが、市場規模は前年比マイナス18.79%と減少しています。

国内電子商取引市場規模(CtoC)

CtoC-EC推定市場規模

近年、ECチャネルの一つとして個人間EC(CtoC-EC)が急速に拡大していることを踏まえ、平成28年から、CtoC-EC市場規模の推計を実施しています。令和4年のCtoC-ECの市場規模は2兆3,630億円(前年比6.8%増)と推計されました。

日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模

日本・米国・中国3ヵ国の越境EC市場規模

令和4年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加しました。なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆2,569億円(前年比5.6%増)、米国事業者からの越境EC購入額は2兆7,499億円(前年比6.7%増)であり、昨年に引き続き増加しています。

2023年度「サービス分野が成長」


経済産業省「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」

令和5年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、24.8兆円(前年22.7兆円、前々年20.7兆円、前年比9.23%増)に拡大しています。また、令和5年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は465.2兆円(前年420.2兆円、前々年372.7兆円、前年比10.7%増)に増加しました。
また、EC化率は、BtoC-ECで9.38%(前年比0.25ポイント増)、BtoB-ECで40.0%(前年比2.5ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。

BtoC-ECの市場規模及び各分野の増減率

物販系分野


物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「食品、飲料、酒類」(2兆9,299億円)、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆6,838億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆6,712億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆4,721億円)の割合が大きく、これらの上位4カテゴリーが2兆円を超過するとともに、物販系分野の73%を占めています。
EC化率については、「書籍、映像・音楽ソフト」(53.45%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(42.88%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(31.54%)において高い値となっています。

サービス系分野

サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「旅行サービス」(3兆1,953億円)が大きな割合を占めています。令和5年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に落ち込んでいた旅行サービス、飲食サービス、チケット販売が昨年に引き続き大きく増加しました。

デジタル系分野


デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「オンラインゲーム」(1兆2,626億円)が大きな割合を占めていますが、市場規模は前年比マイナス3.6%と減少しています。

国内電子商取引市場規模(CtoC)


近年、ECチャネルの一つとして個人間EC(CtoC-EC)が急速に拡大していることを踏まえ、平成28年から、CtoC-EC市場規模※2推計を実施しています。
令和5年のCtoC-ECの市場規模は2兆4817億円(前年比5.0%増)と推計されました。

日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模


令和5年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加しました。なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆4,301億円(前年比7.7%増)、米国事業者からの越境EC購入額は2兆9,610億円(前年比7.7%増)であり、昨年に引き続き増加しています。

2024年度「市場規模は26兆円を突破」


経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」

2024年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、26.1兆円(前年24.8兆円、前々年22.7兆円、前年比5.1%増)に拡大しています。また、2024年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は514.4兆円(前年465.2兆円、前々年420.2兆円、前年比10.6%増)に増加しました。
また、EC化率は、BtoC-ECで9.8%(前年比0.4ポイント増)、BtoB-ECで43.1%(前年比3.1ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。

BtoC-ECの市場規模及び各分野の増減率

物販系分野


物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「食品、飲料、酒類」(3兆1,163億円)、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆7,443億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆7,980億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆5,616億円)の割合が大きく、これらの上位4カテゴリーが2兆円を超過しています。
EC化率については、「書籍、映像・音楽ソフト」(56.45%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(43.03%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(32.58%)において高い値となっています。

サービス系分野


サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「旅行サービス」(3兆5,249億円)が大きな割合を占めています。2024年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に落ち込んでいた旅行サービス、飲食サービス、金融サービスが昨年・一昨年に引き続き大きく回復しました。

デジタル系分野


デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「オンラインゲーム」(1兆2,553億円)が大きな割合を占めていますが、市場規模は前年比マイナス0.58%と前年比ほぼ横ばいとなっています。

国内電子商取引市場規模(CtoC)


近年、ECチャネルの一つとして個人間EC(CtoC-EC)が急速に拡大していることを踏まえ、2016年から、CtoC-EC市場規模※2推計を実施しています。
2024年のCtoC-ECの市場規模は2兆5,269億円(前年比1.82%増)と推計されました。

日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模


2024年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加しました。なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆6,372億円(前年比8.5%増)、米国事業者からの越境EC購入額は3兆1,397億円(前年比6.0%増)であり、昨年に引き続き増加しています。

最後に

2020〜2024年度の日本のEC市場規模とその内訳ご紹介いたしました。
数字が示す通り、ECは今後も確実に拡大していくことが予測され、ECサイトに使用する写真の重要性も増していくでしょう。

  • 通販サイトの始め方が分からない
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