商品撮影の反射・映り込みを防ぐ方法|ガラス・金属・光沢商品の撮り方
ガラス、金属、ジュエリー、コスメ容器など、光沢のある商品を撮影するときに難しいのが「反射」と「映り込み」です。
撮影した写真を確認すると、
- カメラや三脚が商品に映っている
- 撮影者が映り込んでいる
- 照明が白く反射している
- 部屋や家具が商品表面に写っている
- ガラス商品の輪郭が見えにくい
- 金属が黒くつぶれて見える
といった問題が起こることがあります。ただし、商品撮影では反射をすべて消せばよいわけではありません。
光沢商品の質感や立体感は、適度な反射によって表現されることもあります。重要なのは、不要な映り込みを抑えながら、商品の形や素材がきれいに見える反射を作ることです。
本記事では、ガラス・金属・光沢商品の反射や映り込みが起こる理由から、照明・撮影角度・白黒ボードを使った対策、商品別の撮影ポイントまで解説します。
目次
- 商品撮影で反射・映り込みが起こる理由
- 反射と映り込みはすべて消す必要がある?
- 撮影前に商品の表面をきれいにする
- 撮影場所の不要な映り込みをなくす
- 照明を直接当てすぎない
- ディフューザーで光を柔らかくする
- 照明の位置・角度を調整する
- カメラの映り込みを防ぐ
- 白いボード・黒いボードを使う
- ガラス・透明商品の撮影方法
- 金属・鏡面商品の撮影方法
- コスメ・ボトル商品の撮影方法
- ジュエリー・アクセサリーの撮影方法
- 偏光フィルターで反射を抑える方法
- レタッチだけで映り込みを消さない
- 反射・映り込み撮影でよくある失敗
- まとめ
商品撮影で反射・映り込みが起こる理由
商品表面に光が当たると、その光は素材によって吸収・拡散・反射されます。
特に、
- ガラス
- 鏡
- 金属
- メッキ
- 光沢プラスチック
- 透明アクリル
- コスメ容器
- ジュエリー
- 腕時計
などは周囲の環境を強く反射します。つまり、光沢商品を撮影するときは、商品だけではなく、商品から見えている撮影環境全体が写真に影響していると考える必要があります。
例えばカメラの正面に黒い服を着た撮影者がいれば、その黒い色が商品表面に写り込む場合があります。白い壁や照明が近くにあれば、白い帯のような反射として現れることもあります。
反射と映り込みはすべて消す必要がある?
反射があると失敗写真だと思われることがありますが、必ずしもそうではありません。
例えばボトルや金属製品では、適度なハイライトがあることで、
- 丸み
- 光沢
- 立体感
- 素材感
- 高級感
を表現できます。
逆に反射を完全になくすと、商品が平面的に見えたり、素材の質感が分かりにくくなったりすることがあります。
商品撮影で重要なのは、不要なものが写っている反射をなくすことと、商品の形をきれいに見せる反射を残すことを分けて考えることです。
撮影前に商品の表面をきれいにする
反射素材では、ほこりや指紋が非常に目立ちます。
撮影前には、
- 指紋
- ほこり
- 水滴
- 汚れ
- 傷
- シール跡
などを確認しましょう。
特に、
- ガラスボトル
- 金属キャップ
- 鏡面商品
- ジュエリー
- 黒い光沢商品
は、小さな汚れでも照明を当てると目立つことがあります。柔らかいクロスなどを使って表面をきれいにしてから撮影します。
撮影中に商品を触った場合も、再度確認するとよいでしょう。
撮影場所の不要な映り込みをなくす
光沢商品の撮影では、商品周辺の環境そのものを整える必要があります。
商品表面に、
- 撮影者
- カメラ
- 三脚
- パソコン
- 窓
- 天井
- 家具
- 色の強い壁
- ケーブル
などが映り込むことがあります。
肉眼では目立たなくても、写真で見るとはっきり分かる場合があります。撮影前にカメラ画面を拡大し、「商品に何が映っているか」を確認しましょう。
照明を直接当てすぎない
光沢商品に強い照明を直接当てると、照明そのものが白い反射として写ることがあります。
例えば、
丸いライト→ 丸い白い反射
細長い照明→ 細長い白い反射
として商品表面に見える場合があります。
反射が強すぎる場合は、照明を直接商品へ向けるのではなく、光を柔らかくしてから当てます。
ディフューザーで光を柔らかくする
光を柔らかくする方法の一つが、ディフューザーの使用です。
ディフューザーとは、照明と商品の間に入れて光を拡散させるための素材です。
照明の光をそのまま商品へ当てるよりも、広い面から柔らかく光を当てやすくなります。
例えば、
小さな強い光源
↓
ディフューザー
↓
大きく柔らかい光
という状態を作ります。
光沢商品では、照明そのものではなく、ディフューザーの面を商品へ映り込ませることで、なめらかなハイライトを作ることができます。
商品撮影の照明については、以下の記事でも詳しく解説しています。
商品撮影の照明・ライティングについて
照明の位置・角度を調整する
反射が気になる場合は、照明の角度を少し変えるだけでも改善することがあります。
例えば、
- 照明を高くする
- 低くする
- 横へ移動する
- 商品から離す
- 商品へ近づける
- 斜めから光を当てる
などです。
光沢商品の撮影では、「商品のどこに光を当てるか」だけでなく、商品表面のどこに反射を作るかを考える必要があります。
曲面商品は反射の位置が変化しやすい
ボトルや缶のように表面が丸い商品では、照明の位置を少し変えただけでも反射位置が大きく変わります。
撮影画面を確認しながら、商品の形が最もきれいに見える位置へ調整します。
カメラの映り込みを防ぐ
鏡面商品や透明商品では、カメラそのものが映り込むことがあります。
特に真正面から撮影すると、商品中央にカメラが黒く映ってしまうケースがあります。
撮影角度を少し変える
カメラを少し高くしたり、左右へずらしたりするだけで映り込みを避けられる場合があります。
ただし、角度を変えすぎると商品の形が歪んで見えることがあります。
ECサイト用の商品写真では、映り込みをなくすことと、商品の形を正確に見せることの両方を考える必要があります。
カメラ周辺を白くする
商品によっては、カメラ周辺に白いボードなどを設置し、黒いカメラの映り込みを小さくする方法もあります。
レンズを通すための穴だけを空けた白い面を使う方法もあります。ただし、商品によって適した方法は異なります。
白いボード・黒いボードを使う
光沢商品では、白や黒のボードを商品の周囲へ置くことで反射をコントロールできます。
白いボードの役割
白いボードは光を反射し、商品表面に明るい部分を作ります。
例えば、
- 商品を明るく見せる
- 暗い部分を起こす
- 柔らかい反射を作る
ために利用できます。
黒いボードの役割
黒いボードは商品表面に暗い反射を作ります。
一見すると「黒を映すの?」と思うかもしれませんが、透明商品や金属商品では非常に重要です。例えば透明なガラス瓶を白背景で撮影すると、ガラスの輪郭が背景と同化してしまうことがあります。商品の横に黒いボードを置くことで、エッジ部分に黒いラインが映り、輪郭を見せやすくなります。
ガラス・透明商品の撮影方法
ガラスや透明アクリルなどは、商品そのものの色が薄いため、背景と同化しやすい素材です。
透明商品では、
- 輪郭
- 厚み
- 透明感
- 内部の液体
- ラベル
をそれぞれ見せる必要があります。
白背景の場合
白背景では商品の輪郭が消えやすいため、商品の左右に黒いボードを配置する方法があります。
黒い面がガラスのエッジに反射することで、透明な商品の形が見えやすくなります。
後ろから光を当てる
飲料や香水など、透明な液体を見せたい場合は、背景側から光を当てる方法があります。液体が明るく見え、透明感を表現しやすくなります。
ただし、背景光が強すぎると、
- ラベルが暗くなる
- 商品の輪郭が消える
- ハイライトが白飛びする
ことがあります。
正面や横からの光と組み合わせて調整します。
金属・鏡面商品の撮影方法
金属商品は周囲の環境を強く反射します。
特に、
- 鏡面ステンレス
- クローム
- シルバー
- 金属キャップ
- 腕時計
- 調理器具
などは撮影環境そのものが商品へ映り込みやすくなります。
金属に直接ライトを当てない
鏡面素材の場合、照明を直接当てるよりも、大きな白い面やディフューザーを映り込ませることで明暗を作ります。
金属商品では、白い反射+黒い反射のバランスによって形を見せることがあります。
すべてを白くすると形が分かりにくくなるため、適度な暗いラインを残すことも重要です。
コスメ・ボトル商品の撮影方法
コスメ商品では、
- ガラス
- プラスチック
- メッキ
- 透明素材
- マット素材
など、1つの商品に複数の質感が使われていることがあります。
例えば香水ボトルの場合、透明なボトル+金属キャップ+液体+紙ラベルという組み合わせもあります。
1つの照明ですべてをきれいに見せるのが難しい場合があるため、
- ボトルの輪郭
- キャップの反射
- ラベルの読みやすさ
- 液体の透明感
を個別に確認しながら光を調整します。
コスメ・化粧品の商品撮影について
ジュエリー・アクセサリーの撮影方法
ジュエリーやアクセサリーも反射の多い商品です。
例えばネックレスでは、
- 金属
- 宝石
- チェーン
- 留め具
がそれぞれ異なる反射をします。
金属部分を明るくしすぎると形が分からなくなり、暗くしすぎると輝きが失われます。
宝石についても、光の位置によって輝き方が大きく変化します。
そのためジュエリー撮影では、照明を少しずつ動かしながら、商品のどの部分へハイライトを入れるかを調整します。
ジュエリー・アクセサリーの商品撮影について
偏光フィルターで反射を抑える方法
商品によっては、カメラレンズへPLフィルターやCPLフィルターと呼ばれる偏光フィルターを取り付けることで、反射を軽減できる場合があります。
特に、
- ガラス
- 水面
- 一部のプラスチック
- 塗装面
などの反射を調整する際に使われることがあります。フィルターを回転させることで、特定方向の反射を弱めることができます。ただし、すべての反射を消せるわけではありません。
金属そのものの反射など、偏光フィルターで十分に抑えられない場合もあります。また、反射を消しすぎると商品の光沢感まで失われることがあるため、仕上がりを確認しながら使用します。
レタッチだけで映り込みを消さない
商品に映り込んだものは、撮影後にレタッチで修正できる場合があります。
例えば、
- 小さなほこり
- 細かな傷
- 小さな不要反射
- 背景の小さな汚れ
などです。
一方、
- カメラが商品中央に大きく映っている
- 撮影者の姿が広範囲に映っている
- 照明が大きく白飛びしている
- 商品の形を覆うほど強い反射がある
場合は、レタッチだけで自然に修正するのが難しくなります。
基本的には、撮影時に反射を整える → 最後に細かな部分をレタッチするという流れの方が自然な写真に仕上げやすくなります。
商品写真の編集については以下の記事でも解説しています。
商品画像の編集・レタッチについて
反射・映り込み撮影でよくある失敗
強い照明を真正面から当てる
商品中央に大きな白い反射が出て、ロゴやデザインが見えなくなる場合があります。
照明角度やディフューザーを調整しましょう。
反射をすべて消してしまう
光沢商品の反射を完全になくすと、素材感や立体感が失われる場合があります。
商品の形が伝わる適度なハイライトを残します。
撮影者が黒く映り込む
鏡面商品では、撮影者やカメラが黒い塊として映ることがあります。
撮影位置や周囲の白黒ボードを調整します。
商品の汚れを撮影後に気付く
光沢商品では、小さな指紋やほこりが非常に目立ちます。
撮影前と撮影中にこまめに確認します。
白背景で透明商品が消える
透明な商品では背景との境界が分からなくなることがあります。
黒いボードなどを利用して商品の輪郭を作ります。
レタッチ前提で撮影する
大きな映り込みをすべて後から消そうとすると、作業時間が増えるだけでなく、不自然な仕上がりになることがあります。
撮影時に可能な範囲で整えることが重要です。
反射を活かして商品の質感を表現する
反射や映り込みは、単に取り除く対象ではありません。
例えば、
ガラス→ 透明感
金属→ 光沢感
コスメ→ 高級感
ジュエリー→ 輝き
など、商品の素材を伝えるための要素にもなります。
商品撮影では、「どうすれば反射をなくせるか」だけではなく、「どの反射を残すと商品が魅力的に見えるか」まで考えることが重要です。
商品写真に高級感を出すライティングについては、以下の記事でも解説しています。
商品写真に高級感を出す方法
まとめ
ガラス、金属、コスメ、ジュエリーなどの光沢商品では、周囲の環境が商品表面に映り込みやすくなります。
反射・映り込みを調整するときは、
- 商品表面の汚れを取り除く
- 撮影環境を整理する
- 照明を直接当てすぎない
- ディフューザーを使用する
- 照明の位置と角度を調整する
- カメラの映り込みを確認する
- 白・黒のボードで反射を作る
- 必要に応じて偏光フィルターを使用する
- レタッチだけに頼らない
ことがポイントです。
そして、反射をすべて消す必要はありません。適度なハイライトや明暗を残すことで、商品の形、光沢、透明感、立体感を表現できます。
AirPhotoでは、ガラス、金属、コスメ、ジュエリーなど、反射や映り込みの調整が必要な商品の撮影にも対応しています。
商品撮影の照明・ライティングについて
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著者情報
著者:AirPhoto編集部
AirPhotoは、商品の魅力やブランドの世界観を伝える商品写真の撮影を行う撮影チームです。
商品撮影・スタイリング・モデル撮影・動画撮影・レタッチなどの実務を通じて得た知見をもとに、ECや商品写真に関する情報を発信しています。
