360度商品撮影とは?回転画像の撮り方・必要な機材・ECでの活用方法
ECサイトの商品写真では、正面、側面、背面など複数の角度から商品を見せる方法があります。さらに、商品をさまざまな方向から確認できるようにする方法の一つが「360度商品撮影」です。360度商品撮影では、商品を少しずつ回転させながら複数枚の写真を撮影し、それらを連続して表示することで、商品が回転しているように見せます。
特に、
- 靴
- バッグ
- 家電
- 腕時計
- 家具
- 雑貨
- 工業製品
など、形状そのものが購入判断に影響する商品と相性があります。
本記事では、360度商品撮影の仕組み、必要な機材、撮影方法、通常の商品写真や動画との違い、ECサイトで活用するときの注意点まで解説します。
目次
- 360度商品撮影とは
- 360度商品画像の仕組み
- 360度商品撮影のメリット
- 360度商品撮影のデメリット
- 360度撮影に必要な機材
- 360度商品撮影の基本的な流れ
- 商品を回転台の中心に置く
- カメラ位置を固定する
- 照明を固定する
- 何枚撮影すればいい?
- 背景をそろえる
- 撮影後の画像をそろえる
- 360度撮影が向いている商品
- 360度撮影が向いていない商品
- 360度商品画像と商品動画の違い
- ECサイトで360度画像を使う際の注意点
- 360度撮影でよくある失敗
- まとめ
360度商品撮影とは
360度商品撮影とは、商品を一定の角度ずつ回転させながら複数枚の写真を撮影する方法です。
撮影した画像を順番に表示することで、商品が回転しているように見せられます。
一般的な商品写真では、
正面
↓
横
↓
後ろ
というように、ユーザーが画像を1枚ずつ切り替えて確認します。
一方、360度商品画像では、連続した写真を使うことで商品の周囲をより細かく確認できます。
360度商品画像の仕組み
360度商品画像は、動画そのものではありません。
基本的には、
- 商品を少し回転させる
- 1枚撮影する
- また少し回転させる
- もう1枚撮影する
- これを繰り返す
という方法で複数枚の静止画を作ります。
その後、専用のビューアやWeb上の表示機能を使い、画像を順番に切り替えます。
ユーザーがマウスや指で左右に操作すると、その動きに合わせて商品が回転して見える仕組みです。
360度商品撮影のメリット
360度商品撮影には、通常の商品写真とは異なるメリットがあります。
商品の形状を細かく確認できる
正面だけでは分からない、
- 側面
- 背面
- 厚み
- 持ち手
- 接続部分
- 凹凸
などを確認しやすくなります。
実物を手に取る感覚に近づけやすい
実店舗では商品を手に取って角度を変えながら確認できます。
ECサイトではそれができないため、360度画像を使うことで、ユーザー自身が商品を見る方向を変えられる体験を作れます。
複雑な形の商品を説明しやすい
立体的な形状の商品では、数枚の写真だけでは構造が分かりにくいことがあります。
360度画像なら、商品の周囲を連続的に確認できます。
360度商品撮影のデメリット
一方で、360度商品撮影には制作上の負担もあります。
撮影枚数が多くなる
通常の商品写真より多くの画像を撮影する必要があります。
撮影枚数が増えるほど、
- 撮影時間
- レタッチ時間
- データ量
- 制作工数
も増えます。
撮影精度が求められる
1枚ごとの位置や明るさがずれると、回転させたときに商品がガタガタ動いて見えます。
そのため、
- カメラ位置
- 商品位置
- 回転角度
- 照明
- 背景
を安定させる必要があります。
ECサイト側の表示機能が必要
複数の画像をアップロードするだけでは、360度回転表示にはなりません。
専用のビューアやECシステム側の対応が必要な場合があります。
360度撮影に必要な機材
基本的には以下のような機材を使用します。
- カメラ
- レンズ
- 三脚
- 照明
- 背景
- 回転台
- 撮影台
- 必要に応じてリモートシャッター
重要なのは、高価な機材をそろえることよりも、撮影中に条件を変えないことです。
商品撮影に必要な基本的な機材については、以下の記事でも解説しています。
商品撮影に必要な機材を見る
360度商品撮影の基本的な流れ
360度商品撮影は、次の流れで進めると分かりやすくなります。
- 撮影台と背景を準備する
- 回転台を設置する
- 商品を回転台の中心に置く
- カメラを三脚へ固定する
- 照明位置を決める
- カメラ設定を固定する
- 商品を一定角度ずつ回転させる
- 各角度で撮影する
- 画像の位置と明るさを調整する
- 360度表示用のデータへ組み込む
商品を回転台の中心に置く
360度撮影で特に重要なのが、商品を回転軸の中心へ置くことです。
商品が中心からずれていると、回転させたときに左右へ大きく移動して見えます。
撮影前に一周回して確認する
商品を置いたら、すぐ撮影を始めるのではなく、回転台を一周させてみましょう。
そのときに、
- 商品が左右へ動きすぎないか
- 傾いていないか
- 正面位置が分かるか
を確認します。
特に左右非対称の商品では、見た目の中心と回転軸が一致しにくい場合があります。
カメラ位置を固定する
360度撮影では、カメラを動かさずに商品側を回転させるのが基本です。
カメラの、
- 高さ
- 距離
- 角度
- 焦点距離
を固定します。
撮影途中でカメラ位置が変わると、画像を連続表示したときに商品が上下左右へ動いて見えます。
三脚を使用する
手持ち撮影では、毎回まったく同じ位置から撮影するのは難しいため、三脚を使用します。
必要に応じてリモートシャッターやセルフタイマーを使えば、シャッター操作によるカメラの動きも抑えられます。
照明を固定する
照明も撮影途中で動かさないようにします。
商品を回転させるたびに照明位置が変わると、画像ごとに明るさや影が変化してしまいます。
連続表示すると、
明るい
↓
暗い
↓
また明るい
という不自然な変化が起こります。撮影前に照明を決めたら、そのまま固定します。
商品撮影の照明については以下の記事でも詳しく解説しています。
商品撮影の照明・ライティングについて
何枚撮影すればいい?
360度撮影では、撮影枚数が多いほど回転を細かく表現できます。
例えば、
12枚→ 30度ずつ
24枚→ 15度ずつ
36枚→ 10度ずつ
72枚→ 5度ずつ
という考え方ができます。
枚数が多いほど良いとは限らない
枚数を増やすと滑らかに見せやすくなりますが、その分、
- 撮影時間
- レタッチ時間
- データ容量
- ページ側の読み込みデータ
も増えます。
商品の形状やECサイト上で必要な操作感に合わせて決めます。例えば形が比較的単純な商品なら少ない枚数でも十分な場合があります。
一方、細かな凹凸やデザインがある商品では、より多くの角度を撮影した方が分かりやすいことがあります。
背景をそろえる
360度画像では、画像ごとに背景が変化すると回転時にちらついて見えます。
そのため、
- 背景色
- 明るさ
- 影
- 商品との距離
をできるだけそろえます。
白背景にする場合は、すべての画像で白の明るさが大きく変わらないようにします。
白背景の商品撮影について見る
撮影後の画像をそろえる
撮影後は、各画像の状態を確認します。
主に確認したいのは、
- 商品の中心位置
- 商品の大きさ
- 明るさ
- 色味
- 背景
- 傾き
- 影
です。
1枚だけ商品が大きかったり、位置が上へずれていたりすると、回転表示したときに不自然になります。
レタッチも統一する
画像ごとに異なる補正をすると、回転中に商品の色や明るさが変わって見えることがあります。
基本的には同じ基準で調整します。
360度撮影が向いている商品
360度撮影は、立体的な形状を確認することが購入判断につながる商品に向いています。
例えば、
靴・スニーカー
正面だけでは分かりにくい、
- 側面
- かかと
- ソール
- 厚み
などを確認できます。
靴の商品撮影について見る
バッグ
- マチ
- 側面
- 背面
- 持ち手
- 金具
などの形状を確認しやすくなります。
バッグの商品撮影について見る
家電・雑貨
操作部分や接続部分、背面の形などが購入判断に重要な商品と相性があります。
工業製品・パーツ
立体的な構造や部品の位置関係を説明したい場合に利用できます。
家具
正面だけでなく、側面や背面まで形状を確認したい場合に活用できます。
360度撮影が向いていない商品
すべての商品で360度撮影を行う必要はありません。
例えば、
- 薄い紙製品
- 正面情報だけで十分な商品
- 裏表の違いがほとんどない商品
- 通常写真数枚で形状を十分説明できる商品
などでは、制作工数に対して得られる情報が少ない場合があります。
また、食品やコスメなどでは、形状を360度見せるより、
- 質感
- 使用シーン
- シズル感
- スタイリング
を見せる写真の方が有効なケースもあります。
360度商品画像と商品動画の違い
360度画像と商品動画は似ているように見えますが、目的が異なります。
360度商品画像
ユーザー自身が商品の見る方向を操作できます。
そのため、商品の外観・形状を確認する用途に向いています。
商品動画
動画では、
- 商品を開閉する
- 人が使用する
- 商品を組み立てる
- 液体を注ぐ
- バッグを持つ
- 靴を履いて歩く
など、時間とともに変化する情報を伝えられます。
そのため、商品の動きや使い方を伝える用途に向いています。
商品動画については以下の記事でも詳しく解説しています。
商品動画とは?EC・SNSでの活用方法を見る
360度画像と通常の商品写真は併用する
360度画像を導入したからといって、通常の商品写真が不要になるわけではありません。
商品ページでは、
- 商品の正面写真
- ディテール
- 使用イメージ
- サイズ説明
- スタイリング
- 360度表示
など、それぞれ異なる役割があります。
例えば360度画像では商品の形を確認し、通常写真では素材のアップを見せる、といった使い分けができます。
ECサイトの商品画像全体の考え方については、以下の記事でも解説しています。
ECサイトの商品撮影・商品画像の作り方
ECサイトで360度画像を使う際の注意点
360度商品画像を掲載する場合は、撮影だけでなく表示環境も確認する必要があります。
ECシステムが対応しているか
通常の画像登録機能だけでは、360度操作ができない場合があります。
利用しているECシステムやビューアが360度画像に対応しているか確認します。
スマートフォンで操作できるか
ECサイトではスマートフォンから閲覧されることも多いため、
- 指で回転できるか
- 表示が崩れないか
- 画像が小さすぎないか
などを確認します。
データ容量を確認する
多数の高解像度画像を読み込むため、データ量が大きくなる場合があります。
必要以上に大きな画像を使用せず、表示品質を確認しながら画像サイズや圧縮を調整します。
商品画像の容量を小さくする方法|画質を落とさず圧縮するポイント
360度撮影でよくある失敗
商品が回転するたびに左右へ動く
商品が回転台の中心に置かれていない可能性があります。
撮影前に一周回して位置を確認します。
商品の大きさが変化して見える
カメラ位置やズームが途中で変わっている可能性があります。
カメラとレンズを固定します。
画像ごとに明るさが変わる
照明や露出設定が変化している可能性があります。
照明位置とカメラ設定を固定しましょう。
背景がちらつく
背景の明るさや影が画像ごとに異なっている可能性があります。
背景・照明条件を統一します。
影だけが不自然に動く
商品を回転させることで影の見え方が大きく変わる場合があります。
照明の位置や光の柔らかさを調整します。
撮影枚数を増やしすぎる
必要以上に画像を増やすと、撮影・レタッチ・表示データが増えます。
商品に必要な滑らかさから撮影枚数を決めましょう。
撮影後にECサイトが対応していないことに気付く
撮影を始める前に、360度ビューアやECシステムへの組み込み方法を確認しておくことが重要です。
360度撮影では事前設計が重要
通常の商品写真でも事前準備は重要ですが、360度撮影では特に、
- 撮影枚数
- 回転角度
- 商品の中心位置
- 画像サイズ
- 背景
- ECサイトへの表示方法
を事前に決めておく必要があります。
撮影後に仕様を変更すると、多数の画像を撮り直す必要が生じる場合があります。
そのため、撮影方法だけでなく、最終的な表示方法まで決めてから撮影することがポイントです。
まとめ
360度商品撮影とは、商品を一定角度ずつ回転させながら複数枚の写真を撮影し、それらを連続表示することで商品の周囲を確認できるようにする方法です。
撮影時には、
- 商品を回転軸の中心に置く
- カメラを三脚で固定する
- 照明を固定する
- 一定角度ずつ回転させる
- 背景を統一する
- 画像の明るさ・位置をそろえる
ことが重要です。
360度撮影は、靴、バッグ、家電、家具、工業製品など、商品の立体的な形状が購入判断に影響する場合に向いています。
一方ですべての商品に必要な撮影方法ではありません。通常の商品写真、ディテール写真、モデル撮影、商品動画などと役割を分け、ユーザーに何を確認してもらいたいかから導入を判断するとよいでしょう。
AirPhotoでは、商品単体の撮影だけでなく、ECサイトや広告など、使用目的に応じた商品撮影をご相談いただけます。
物撮り・商品撮影のコツを見る
ECサイトの商品撮影・商品画像の作り方
商品動画について見る
商品撮影の料金を見る
AirPhotoの商品撮影サービスを見る
AirPhotoの商品撮影実績を見る
お問い合わせはこちら
お急ぎの場合はこちら:03-6824-2695
著者情報
著者:AirPhoto編集部
AirPhotoは、商品の魅力やブランドの世界観を伝える商品写真の撮影を行う撮影チームです。
商品撮影・スタイリング・モデル撮影・動画撮影・レタッチなどの実務を通じて得た知見をもとに、ECや商品写真に関する情報を発信しています。
