商品写真の影の付け方|立体感を出すライティングと影を消す方法
商品撮影では、「影を消した方がきれい」と思われることがあります。
しかし、影は必ずしも不要なものではありません。
影には、
- 商品の立体感を出す
- 奥行きを見せる
- 商品が置かれている位置を伝える
- 素材感を強調する
- 高級感や雰囲気を演出する
といった役割があります。
一方で、影が強すぎると、
- 商品の一部が暗くなる
- ディテールが見えにくくなる
- 背景が汚く見える
- 商品が重たい印象になる
こともあります。
そのため商品撮影では、影を完全になくすのではなく、商品の見せ方に合わせて影の強さ・方向・濃さを調整することが重要です。
本記事では、商品写真で影ができる仕組み、立体感を出す影の作り方、影を弱くする方法、商品別の考え方まで解説します。
目次
- 商品撮影で影ができる理由
- 影は消すべき?残すべき?
- 影の濃さを決める3つの要素
- 硬い影と柔らかい影の違い
- 商品に立体感を出す影の作り方
- 影の方向をコントロールする方法
- 影を柔らかくする方法
- 影をできるだけ消す方法
- 白背景の商品撮影で影を整える
- 黒い商品・暗い商品の影
- コスメ・ボトルの影
- ジュエリー・金属商品の影
- アパレル・布商品の影
- 食品撮影の影
- スタイリング写真で影を使う
- 撮影後に影をレタッチする場合
- 商品写真の影でよくある失敗
- まとめ
商品撮影で影ができる理由
影は、光が商品によって遮られることでできます。
例えば、商品の左側から光を当てると、反対側の右方向に影が出やすくなります。
影の形や濃さは、
- 光源の位置
- 光源の大きさ
- 商品との距離
- 商品と背景の距離
- 補助光の有無
によって変わります。
つまり、影は偶然できるものではなく、照明の置き方によってある程度コントロールできます。
影は消すべき?残すべき?
商品写真で影をどう扱うかは、写真の目的によって変わります。
影を弱くした方がよい場合
例えば、
- ECサイトの商品一覧
- 白背景の商品写真
- 商品の形を正確に見せたい写真
- パッケージを読みやすくしたい写真
などでは、影が強すぎると商品情報を邪魔することがあります。
この場合は、影を弱くして商品そのものを見やすくします。
影を残した方がよい場合
一方で、
- スタイリング写真
- 広告写真
- ブランドビジュアル
- コスメ
- インテリア
- 食品
などでは、適度な影が立体感や雰囲気を作ります。
影をすべて消すと、商品が背景に貼り付いたように見えることもあります。
大切なのは、影があるかないかではなく、その影が商品の見え方に役立っているかです。
影の濃さを決める3つの要素
影の見え方は、主に3つの要素で変わります。
光源の大きさ
小さな光源は、輪郭のはっきりした硬い影を作りやすくなります。
大きな光源は、境界の柔らかい影を作りやすくなります。
光源と商品の距離
光源を商品に近づけると、相対的に大きな光となり、影が柔らかくなりやすくなります。
逆に離すと、光が硬くなりやすくなります。
補助光の有無
反対側から弱い光を入れると、影の濃さを和らげることができます。
レフ板でも同様の効果を作れます。
硬い影と柔らかい影の違い
商品写真では、影の「硬さ」も重要です。
硬い影
輪郭がはっきりした影です。
特徴として、
- シャープ
- 力強い
- モダン
- コントラストが高い
印象を作りやすくなります。
柔らかい影
輪郭がぼやけた影です。
特徴として、
- 自然
- 優しい
- 上品
- 柔らかい
印象になりやすくなります。
どちらが正しいということではなく、商品のブランドイメージや使用目的に合わせて選びます。
商品に立体感を出す影の作り方
立体感を出したい場合は、真正面から均等に照らすだけではなく、少し斜めから光を当てると分かりやすくなります。
斜め45度程度から光を当てる
商品に対して斜め方向から光を当てると、
- 明るい面
- 中間の面
- 暗い面
ができやすくなります。
これによって平面的な写真より立体感を感じやすくなります。
影を少し残す
商品の片側に適度な影を残すことで、奥行きを表現できます。
影を完全に消してしまうと、立体感が弱くなる場合があります。
商品と背景を少し離す
商品を背景から離すと、影の位置や濃さを調整しやすくなります。
背景へ直接影が落ちすぎる場合にも有効です。
影の方向をコントロールする方法
影は、基本的に光源と反対方向へ出ます。
例えば、
左上から照明 → 右下へ影
右横から照明 → 左側へ影
という形です。
そのため、影をどこへ出したいかを先に決め、逆算して照明位置を考えると調整しやすくなります。
影の方向をそろえる
複数商品を並べた写真では、影の向きがバラバラだと不自然に見えます。
基本となる主光源を決め、影の方向をそろえると統一感が出ます。
影を柔らかくする方法
影が強すぎる場合は、光を柔らかくします。
ディフューザーを使う
照明と商品の間にディフューザーを入れると、光が広がり、影の輪郭が柔らかくなります。
大きなソフトボックスを使う
光源面積が大きいほど、柔らかい光を作りやすくなります。
商品撮影ではよく使われる方法です。
光源を商品へ近づける
大きな光源を近づけることで、影が柔らかくなりやすくなります。
レフ板を使う
影側に白いレフ板を置くと、反射した光が入り、影を少し明るくできます。
商品撮影の照明については以下の記事でも詳しく解説しています。
商品撮影の照明・ライティングについて
影をできるだけ消す方法
ECサイトの商品一覧などで影を弱くしたい場合は、複数方向から光を入れます。
正面・左右から光を入れる
1方向から強く照らすのではなく、左右からバランスよく照らすことで影を弱くできます。
レフ板で影を起こす
照明を増やさなくても、白いボードやレフ板で反射光を入れることで影を薄くできます。
商品を背景から離す
背景へ濃い影が出る場合は、商品を少し前へ移動することで影を柔らかく見せやすくなります。
真上から光を入れる
商品形状によっては、上方向から光を入れることで横方向の大きな影を減らせます。
ただし、下部が暗くなることがあるため補助光も確認します。
白背景の商品撮影で影を整える
白背景の商品写真では、影を完全に消す方法と、薄く残す方法があります。
影を薄く残す
自然な接地感を出したい場合は、商品下部に薄い影を残します。
これにより商品が宙に浮いて見えるのを防げます。
背景を明るくしすぎない
背景を強く照らしすぎると、商品の輪郭まで白く飛ぶことがあります。
背景と商品を別々に調整すると安定しやすくなります。
白背景の商品撮影について見る
黒い商品・暗い商品の影
黒い商品では、影が暗い背景と重なって見えにくくなることがあります。
その場合は、影そのものよりも商品の輪郭を見せることが重要です。
エッジに光を入れる
後ろや横から光を当て、商品の輪郭に明るい線を作ると背景から分離しやすくなります。
黒つぶれを防ぐ
黒い部分をすべて真っ黒にすると、素材感が分からなくなります。
ハイライトや反射を残して立体感を作ります。
コスメ・ボトルの影
コスメやボトル商品では、影が商品イメージに影響します。
柔らかい影
スキンケアやナチュラル系の商品では、柔らかい影が使いやすい場合があります。
硬い影
香水や高級コスメなどでは、シャープな影を使うことで印象的なビジュアルを作ることもできます。
ただし、ラベルや商品名が影で読みにくくならないようにします。
コスメ・化粧品の商品撮影について
ジュエリー・金属商品の影
ジュエリーや金属商品では、影と反射の両方を確認する必要があります。
影だけを強くすると、輝きが弱く見える場合があります。
一方で明るくしすぎると、商品が平面的になります。
- ハイライト
- 暗部
- 接地影
- 背景
のバランスを見ながら調整します。
ジュエリー・アクセサリーの商品撮影について
アパレル・布商品の影
布やアパレル商品では、影によって生地の凹凸や立体感を表現できます。
例えば、
- シワ
- 織り目
- ドレープ
- 厚み
などです。
ただし、影が強すぎると黒ずんで見えることがあります。
柔らかい光を斜めから当て、素材感が分かる程度に影を残すとよいでしょう。
アパレルの商品撮影について
食品撮影の影
食品撮影では、影が立体感やシズル感につながります。
真正面から均一に照らしすぎると、料理が平面的に見える場合があります。
例えば、斜め後ろ + 横方向から光を入れることで、
- 食材の凹凸
- 表面のツヤ
- 湯気
- 厚み
を見せやすくなります。
料理・食品の商品撮影について
スタイリング写真で影を使う
スタイリング撮影では、影そのものを演出として使うこともできます。
例えば、
- 窓枠の影
- 植物の影
- ブラインドの影
- 小物の影
などを背景に入れる方法があります。
こうした影を使うことで、
- 時間帯
- 季節
- 空気感
- ライフスタイル
を表現できます。
ただし、商品より影が目立ちすぎないようにします。
スタイリング写真について見る
撮影後に影をレタッチする場合
商品写真の影は、撮影後に調整することもできます。
例えば、
- 影を少し薄くする
- 背景の汚れを消す
- 不自然な影を整える
- 接地影を追加する
といった処理です。
ただし、影を完全に消してしまうと商品が浮いて見えることがあります。
逆に、後から不自然に濃い影を追加すると、照明方向と矛盾する場合があります。
基本的には、撮影時に自然な影を作り、最後に必要な部分だけ調整する方法が自然です。
商品画像の編集・レタッチについて
商品写真の影でよくある失敗
影をすべて消してしまう
影がなくなりすぎると、商品が平面的に見える場合があります。
影が黒すぎる
強い一方向の照明だけを使うと、影が濃くなりすぎることがあります。
レフ板や補助光で調整します。
影の方向が不自然
複数の照明を使うと、違う方向へ影が出ることがあります。
主光源を決めて整理しましょう。
商品ごとに影の向きが違う
商品一覧では統一感がなくなります。
同じ撮影条件を維持します。
影が商品に重なっている
パッケージやロゴに強い影がかかると、商品情報が見えにくくなります。
照明位置を調整します。
後から影を付けすぎる
商品の形や照明方向と合わない影は、不自然に見えます。
影だけに意識が向いている
影はライティングの結果です。
影だけを直そうとせず、光源の位置・大きさ・距離から調整すると自然です。
商品写真では「影の目的」を決める
商品撮影では、まず影の目的を決めると考えやすくなります。
例えば、
商品を分かりやすく見せる → 影を弱くする
立体感を見せる → 柔らかい影を残す
高級感を出す → 明暗差を作る
印象的な広告写真にする → 硬い影を演出として使う
というように使い分けます。
影を単純に「消すもの」と考えず、商品を見せるための要素として扱うことが重要です。
まとめ
商品写真の影は、単なる暗い部分ではなく、商品を立体的に見せるための重要な要素です。
影を調整するときは、
- 光源の位置を変える
- 光源を大きくする
- ディフューザーを使う
- レフ板で影側に光を入れる
- 商品と背景の距離を調整する
- 影の方向を統一する
- 必要に応じて影を残す
ことがポイントです。
ECサイトの商品写真では、商品情報を邪魔しない柔らかい影にする。広告やスタイリング写真では、影を使って立体感や雰囲気を演出する。
というように、使用目的によって影を使い分けます。
大切なのは、「影をなくすか」ではなく、「商品をどう見せるための影か」を考えることです。
AirPhotoでは、白背景の商品撮影からスタイリング撮影、コスメ、ジュエリー、食品など、商品特性に合わせたライティングにも対応しています。
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著者情報
著者:AirPhoto編集部
AirPhotoは、商品の魅力やブランドの世界観を伝える商品写真の撮影を行う撮影チームです。
商品撮影・スタイリング・モデル撮影・動画撮影・レタッチなどの実務を通じて得た知見をもとに、ECや商品写真に関する情報を発信しています。
